gallery diary

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何度も読み返したくなる本

「背継」「丸背」「上製本」「ホローバッグ」「スピン」「検印紙」
この中で、いくつか意味の分かるものがありますか?

 

今回、「A Book Cat Dictionary」の装幀デザインをされたサイトヲヒデユキさんに書籍の仕様についてお話をうかがった際に教えて頂いた言葉の数々です。
製本について無知な私は、ただひたすらカタカナでメモを取りました。
その都度、漢字でどう書いてどのような技法、仕様の事なのかを詳しくサイトヲさんは教えて下さいました。
装幀について説明して下さるサイトヲさんは、それまでよりも少し饒舌で、とても楽しそうにお話しして下さっているように見えました。

 

サイトヲさんが装幀デザインを手がけられるなちおさんの書籍は、「CAT」「HORSE」に続き3冊目。
友人関係でもあるなちおさんとサイトヲさんは、お二人で話をしていると、打ち合わせではない時でも気がつくと本の話になっているそう。
こんな事もやりたい、昔見かけたこんな本のこういう部分を再現してみたい。など、お二人の「やってみたい」はまだまだ尽きる事がなさそうです。
新刊はそんなお二人の「やってみたい」のうちの、いくつかを反映させた贅沢な仕様の1冊になったのではないでしょうか。

 

背継製本は辞書などに用いる事の多いデザインだそう。背表紙のクロス(布製)部分で表と裏の表紙を継いでおり、今回はそれぞれ表紙の色を変えて作られています。

 

16ページごとの糸綴り製本。ホローバックという手法は開く時に背の綴じてある部分が浮き上がるのでどのページもしっかり開きやすく強度もあるそうです。

 

「丸背」や「背継」などもなちおさんのあこがれの製本方法だったそうですが、今回の新刊で特筆すべきは奥付にある「検印紙」とそれに押された割印ではないでしょうか。


1959年に廃止されてしまった検印制度。出版社が貼付けた検印紙に著者が1つ1つ検印を押し、発行部数の不正や海賊版などを防止するためにあった制度なのだそうです。
「A Book Cat Dictionary」の奥付にあるなちおさん書き下ろしの絵の検印紙は当時のものを再現して活版印刷で作られています。印鑑も勿論この為に作られたものです。
本がお好きなお二人だからこそ実現した再現なのだと思います。

 

 

主張しすぎない細かなアイディアのひとつひとつを、ふとした瞬間に発見し、見つけた喜びを独り占めできるような、そんな楽しみ方の出来る、繰り返し何度でも読み返したくなる1冊だと思います。
ぜひ、お手に取ってご覧下さい。
トラネコボンボン展は、5月26日(日)までの開催です。ご来店お待ち申し上げております。

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